看板は、正式には屋外広告物と呼ばれて、屋外広告物法という法律によって制限されています。
また、地方自治体の条例や、設置場所によっては道路法や道路交通法、大きさによっては、建築基準法によっても制限されます。
つまり、看板を設置したいと思っても、どこでも自由に簡単に設置できるわけではありません。
きちんとした屋外広告業の免許を持った業者に依頼して、制作・設置をしてもらう必要があるということになります。
この記事では、「看板を設置したい」そう考えたときに絶対に抑えるべきすべてのポイントをまとめました。
そもそも看板に設置効果はあるの?
看板の設置を考えたときに、何よりも先に考えないといけないのは、「なぜ看板を設置するのか」「看板を設置することで得たいものは何か?」という点です。
当然、看板は設置するのにそれなりにお金もかかります。ただなんでもよいから作れば思うように効果を発揮するかというと、そんなことはありません。
看板を設置することで、得たい効果を最大限得るためには、それなりのノウハウをもって取り組む必要があります。そこで重要な点は、当記事の一番下に記載しておりますので、ご確認ください。
このセットアップを間違えてしまうと、のちのち思わぬ結果を招くことになるので注意が必要です。
例えば、次のような状況に陥ることが想定されます。
- イメージと違う看板になった
- 大きさが不自然な看板になる
- 全然目立たない
- お店の場所をわかりやすくしてくれない
- 広告効果を発揮してくれない
- ブランディングにならない
他にもいろいろな懸念されることはありますが、よくある事例としては、これらのことが挙げられます。看板設置の目的と効果について詳しく知りたい方は、以下のページをご参照ください。
参照:街にあふれる駅広告や野立て看板などの屋外広告や店舗看板って、本当に宣伝に効果があるものなの?
屋外看板設置は法律によって制限される
先にもお伝えしましたが、看板は正式名称を屋外広告物といいます。これは法律によって規定されたもので、さまざまな法律や法令によって制限をされます。
ここでは、どんな法律によって制限されるのかについて、少し解説をして参ります。
どんな法律や法令、条例に制限される?
看板は、屋外広告物という正式名称で、まずは屋外広告物法という法律によって定められ、さまざまな制限を受けます。
次に、さまざまな場合わけで以下のようは法律が適用されます。
- 道路交通法・道路法
- 建築基準法
- 自治体の条例
以下、簡単に場合分けして解説します。
道路に設置・はみ出る場合
道路に看板を設置する際には、許可申請が必要であることを定めた、道路交通法が適用されます。(道路に看板がはみ出る場合や、立て看板を一時的に設置する場合なども含みます)
一方で、継続的に道路に看板を設置し続ける場合は、道路法という法律によって適用されます。
電柱に看板を設置する場合
同じ道路に設置する看板でも、電柱は主に電力会社の所有であることが多いです。したがって電柱に取り付けられる看板は、電力会社と提携している運用会社を通じて掲載することが可能になります。
電柱に取り付ける看板には、主に次の3種類があります。
- 掛広告
- 巻広告
- 小型公共表示
高さ4mを超えるもの
高さが4mを超える看板は、工作物としてみなされるため、建築基準法が適用されます。建物を建築するのと同じように、工作物確認申請と構造計算書の作成が義務付けられています。
この場合は、建築士と相談することが必要になります。
立て看板でも許可が必要?
ちょっとした立て看板であっても、歩道を含むすべて道路に置くためには、道路交通法によって許可を得ることが必要です。(私道は除く)
道路の管理者(国道なら国や都道府県・市町村道なら各地方自治体)に対して占有申請を出すことによって許可を得ることができます。
許可基準への適合が必要
そのためには、設置する看板が広告物の許可基準に適合していることが必要です。
基本は道路に看板は置けないことになっている中、特別に占有許可を得るようなイメージなので、専門の業者に相談するのがベストといえます。
一番最初の「看板の目的」でも書きましたが、立て看板が本当に一番効果的かも含めて、確認するようにしましょう。
消火栓標識とは?
画像引用元:消火栓標識株式会社HPより
消火栓標識とは、上記のようなものになります。通常、道路に看板を設置することはできませんが、消火栓標識はきちんとすべての許可を得ているので安心して広告を出すことができるものになります。
消火栓標識は目立つ場所に設置されているので広告効果も高いです。また、この標識自体が、広告料で賄われているので、社会的な意義が高いものとも言えます。
看板の設置場所
看板は、さまざまな場所に設置されています。その設置される場所に応じて、必要な許認可が異なりますし、規制される法律も変わったりします。
すでに道路については、お伝えしましたが、その他の場所についても簡単に解説して参ります。
公園に看板を設置したい場合
公園は、公共の場所で、設置する看板によっては見通しや景観が悪くなる恐れがあります。したがって、公園を管理する市町村に相談し許認可を得る必要があります。
取り扱いは自治体によってさまざまですが、事前調査と相談をすることが必須になります。
賃貸マンションやアパート、駐車場に設置したい場合
賃貸マンションやアパート、月極め駐車場は、所有者の許可が得られれば、多くは賃料を支払うことで看板を設置して貰えることがあります。
賃貸マンションやアパート、駐車場は、管理会社がいますので、その物件を管理する会社に連絡して交渉することが必要です。
これら賃貸物件に看板を設置する場合も、屋外広告法や大きさによっては建築基準法、地方自治体の定める条例が適用されます。
なので、屋外広告業者に相談は必須になります。屋外広告業者は、こういった広告看板を専門としているところもあります。まずは業者に相談するのが一番効果的といえるでしょう。
看板設置を業者に委託する
看板の設置を業者に委託する場合は、目的に応じて適切な看板業者を選定することが重要になります。適した看板業者を選定できなければ、当初の目的を遂げることはできません。
看板業者には、それぞれ特徴や得手不得手があります。
これらを踏まえて、ただ近いからというだけで業者を選ぶのではなくて、適切な看板業者を選定する意識を持つことが重要となります。
詳しくは、こちらをご覧ください。>>看板製作会社の実力を見極める!失敗しない業者選びの方法
契約する際の注意
看板の契約をする際に、注意すべき点があります。看板の制作だけでしたら、業者に製作してもらって設置しておしまいになりますので問題ありません。
しかし、例えば駅広告や野立て広告のような屋外広告の場合は、場所の賃貸借契約も関連してきます。したがって、しっかりとした契約書を交わすことが必要になります。
なお、野立て広告のような土地に設置する看板の場合で、土地の賃貸契約をする場合は、その契約書は課税文書になりますので、収入印紙を貼ることが必要になります。
看板を設置しないといけなくなる場合
ここまでは、主に広告などの理由で看板を設置する場合について考えてきました。今度は、少し観点をかえて、広告といよりは告知等のために看板の設置が必要になるケースについて解説していきます。
ここは、趣旨が大きく違うので該当がなければ、読み飛ばして構いません。
路上工事の工事予告・工事中看板
道路工事をする場合は、交通事故を防ぎ、交通の安全かつ円滑な運行を確保するため、「道路工事現場における標示. 施設等の設置基準」というものが定められています。
詳しくは、こちらのページで内容をご確認ください。
看板の設置が義務付けられています。
中高層建築物を建築する場合
通常高さが10m以上(一部エリアでは地上3階建て以上または軒の高さが7mを超える建物)の中高層の建物を建築する場合、周辺住民とトラブルになるケースが多いため、各地方自治体は条例等でさまざまな決まりを作っています。
例えば、東京都の場合は、以下のように規定しています。
中高層建築物を建築しようとする建築主は、建築確認等の申請を行う前に、「建築計画のお知らせ」という建築計画概要を記載した標識を、建築予定地の道路に接する部分(建築予定地が2以上の道路に接するときは、それぞれの道路に接する部分)に、原則として地面から標識の下端までの高さが概ね1mとなるように設置しなければなりません。
引用元:東京都都市整備局HPより
各種道路標識等
道路標識は、法によって定められたルールに従って、必要な看板・標識が設置されています。道路標識は、本標識と補助標識の2つがあります。そのうち、本標識は、分類すると次の4つにわかれます。
- 案内標識
- 警戒標識
- 規制標識
- 指示標識
さらに、案内標識は、次の3つに分かれます。
- 経路案内
- 地点案内
- 付属施設案内
引用元:チューリッヒ保険会社HPより
これらの分類に基づいて、制限速度、通学路、駐車禁止、徐行、オービス、飛び出し注意など、さまざまな標識が設置されています。
看板の設置方法
看板の設置方法は、看板によってかなり施工方法が変わってきます。基本的には専門業者に委託することで対応できます。
看板にはさまざまな種類があります。
看板にはいろいろな種類がありますが、代表的な例をあげていきます。看板の種類としては、「どんな表現方法なのか」から分類して、大きくつぎの3つの種類があります。
- 電飾看板・電気看板
- パネル看板・平看板・アルポリ看板
- サイネージ看板
このうち、電触看板はさまざまに細かくわかれています。ネオン・内照式・外照式・電光看板などがあります。
一方で、どういう風に設置されるかという観点から分類して、大きくわけて次の5つの種類にわけられます。
- 自立看板
- 袖看板
- ウィンドウサイン・FIXサイン
- 壁面サイン
- 横断幕・垂れ幕看板、懸垂幕
自立看板も幅が広く、細かく種類がわかれています。例えば、ポールサインや野立て看板≒建植看板、エアー看板などがあります。
また、少し別の角度から見ますと、これらの多くの看板がファサード看板と言われて、外装に取り付ける看板を言います。この外装看板であるファサード看板に対して、スタンド看板という分類の方法もあります。
詳しくは、看板の種類の項をご覧ください。
これらの方法によって、施工方法は大きく異なってくることになります。
看板の設置費用はいくら?
看板を製作して設置する費用はいったいいくらくらいかかるでしょうか。看板の設置には、次の費用に分類することができます。
- 看板のデザイン料
- 看板そのものの制作費用
- 看板の取り付け設置料
以上の3つを合わせて、ひとつの看板が設置される費用として計算されます。
※野立て看板や屋上看板は、これにプラスして場所代の賃料がかかり、トータル費用を月額で計算されることが多いです。
相場はいくらくらい?
大きさやものによって大きく異なりますが、一般的な看板単体の相場としては15-30万円くらいといわれています。
一方で、集客に役立つような大掛かりな外観を含めた看板工事だと50-100万円程度はかかることになります。
詳しくは、看板の価格はいくら?工事費用、製作の値段、デザインの料金トータルで算出しますをご覧ください。
野立てや屋外広告の場所を提供する場合の収入と税金
野立て広告や屋上看板を所有不動産に設置して賃料収入を得たいと思われる方は、ぜひ看板広告業者に相談してください。
場所を借りて広告を設置したいと思われる方は多くいて、看板広告業者さんは常に設置場所も探しています。
マンション投資やアパート経営ほどの大きな収入は得られないまでも、余った場所を貸すだけで継続的な収入を見込めますので、おススメです。
看板設置にかかる税務処理
看板を設置する場合にかかる費用は当然のことながら、経費として処理することができます。価格が10万円未満のものは、当然消耗品として計上することが可能です。
しかし、10万円以上になると基本的には資産として計上して減価償却しないといけなくなります。
減価償却する場合の仕訳
10万円以上の看板で減価償却する場合、建築付属設備、構築物、器具備品等に分類して仕訳することになります。
このあたりの詳しい仕訳については、看板にかかる費用の科目はどう仕訳を計上する?で詳しく解説していますので、必要な方はご確認ください。
看板設置のトラブル
看板をめぐっては、それなりにトラブルも多く見受けられます。
ここでは、代表的な看板の設置をめぐるトラブルについてまとめておきます。参考までにご覧ください。
無断で設置される
一番よくみられるものは、勝手に自分の不動産に看板が設置されるケースです。
例えば、自分の持っている私有地に看板が設置されたり、隣地のお店の方が設置した看板が自宅敷地にはみ出てきたり、テナントに入った方が勝手に看板を掲示したり、などです。
これらの場合は、もちろん撤去を要請することができます。ただし、その後のトラブルに発展してもいけませんので、話し合っても簡単に解決しない場合は、弁護士等に相談されることをおススメします。
思いがけないデザイン
また、似た事例ですが、テナントに入ったお店がビル全体の雰囲気を壊してしまうような想定外のデザインの看板を設置してしまった、というような事例もあります。
それが仮に条例違反であれば普通にデザインの変更を依頼すればよいですが、そうでない場合は事前に取り決めがないとうまく話し合いが進まないこともありますので、注意が必要です。
テナントに看板の設置を許可する場合は、デザインに関する決まりをあらかじめ定めておくことが必要です。
看板の設置に関して景観法に基づく条例が制定されている都市
看板の設置に関して景観法に基づく条例が制定されている都市はかなりあります。通常は、屋外広告業者さんが詳しい情報を持っていますので、看板屋さんに任せれば問題ありません。
何かの理由があって、どうしてもご自身でお知りになりたい場合は、以下のページをご覧ください。どの都道府県のどの都市でどんな条例が定められているかを知ることができます。
参照ページ:景観行政ネットHPの景観法に戻づく景観条例一覧
看板制作をご検討ならお気軽にご相談ください。
ここまで、看板の設置に関して、かなり詳細に解説してきました。
看板制作をご希望の方は、ぜひ全国対応の北堀江看板にご相談ください。弊社は、集客効果が高い看板をトータルプロデュースさせていただいております。
詳しくは、北堀江看板本サイトをご覧ください。