明るいイメージを作りたい!クリニックや歯科医院を運営している方の多くが願う思いです。
実際に、患者さんは明るくて清潔そうなクリニックを選ぶ傾向があるのは間違いありません。
ですが、実際のところいかがでしょうか。
多くの方がご自分のクリニックの外観をみて、「思ったより暗い印象を与えていて、どうしてかわからない」そんな風に思っていらっしゃいます。
今日は、外観で明るい印象を与えるための方法をご紹介します。
クリニック、歯科医院にとっての第一印象の重要性
他よりも信頼できると思えるクリニックを選ぶ基準はさまざまですが、中でも第一印象は無意識に起こる非常に大きな影響を与える要素です。
明るい印象のクリニックと暗い印象のクリニックにおいて、第一印象が良いのは明るい歯科医院であることが明確です。
では、暗い印象を与える原因は何で、どう対処すればよろしいでしょうか。
第一印象で損するケース:ガラス面
もしご自身のクリニックの外観が何となく暗いと感じているなら医院のガラス面に注目して下さい。
ガラス面で第一印象が暗くなるパターンがあります。
このようなケースに陥っている原因で一番目に考えられるのは、医院のガラス面に何もしていないからです。
外から中の様子は少しでも見えた方がいい
クリニックの場合、外から全く中が見えないと不安になります。
特に外に面している部分が前面ガラスのクリニックの場合、中の様子が伺えないと「中はどんなのだろう」「なんで隠しているのかな」と疑問に思ってしまいます。
人から良いクリニックだよ、と聞いていても全く中が見えない外観だと入ることをためらってしまいます。
あなたも、入る前にお店の中が「どんな雰囲気なのか」「どんなところなのか少しでも見たい」そんな気持ちになりませんか?
※この中が少し見えたほうがよいことについては、のちほど詳しく解説します。
すべて見えてしまうのもNG
だからといって中が全部見えている状態だと、中にいる人たち、待っている患者様や働いているスタッフからは居心地が悪くなってしまいます。
なので中を見せる部分、隠した方がいい部分を決める必要があります。
この医院様のように中を見せて入りやすくする部分をきっちり決めることをおすすめします。中にいる人、入ろうかと思っている人、どちらにも考慮したデザインにしなくてはいけません。
以下の事例をご覧下さい。
暗い印象を与えるBefore
明るいイメージと見せる見せないをハッキリさせたAfter
どこまで写真で伝わるかはわかりませんが、明るくて中が一部見えるデザインになったと思います。
ガラス面の間口は意外に暗い!
クリニックや歯科医院の外観の明るさは重要なのはお伝えしたとおりです。じゃあ、何を持って、明るい外観と言えるかというと、こうです。
医院の外観が明るいかどうかは消費者がどう思うかです。
実際に照明はたくさんあっても、消費者が暗いと思ってしまうとそれはくらいクリニックであるということになります。
当然、医院にとってマイナスです。
損しているガラス面の落とし穴は昼間にあり
夜は中がよく見えて明るいから気にならない方が多いガラス面ですが、昼間の状態を確認したことはありますか?
クリニックの立地によって異なりますが、ガラス面は昼間反射して周りの風景が映り込みます。
多くの方が、ガラス面は明るいと思っていますが、それは誤解です。
ガラスは透明ですが消費者の目には黒に見えている
昼間じっくり歯科観察してみると、アスファルトや近隣のビルの映り込みにより、ガラス面は真っ暗になっている事に気が付きます。
夜のように「院内の方が明るい状態」であれば中の様子が見えます。しかし昼間は概ね外の方が明るくなりますので、中の様子が見えにくくなり、何か暗い印象を受けてしまうことになります。
下の事例でも、診察中なのかどうかもわからない暗い印象になっています。
昼間目線で明るくデザインする必要がある
歯科医院ガラス面に何か貼るといえばカッティングシートです。カッティングシートは単に文字情報を貼る為のものだと認識されていませんか?(詳しくは、のちほど解説します。)
実はカッティングシートは印象を明るくするという目的で活用することが可能です。
ガラス面で文字で情報を入れるだけや広告的な発想よりも、外観を明るくするという目的でガラス面のカッティングシートやインクジェットシートを検討してみてください。
外観の明るさを考えたデザインにすると来院される患者様や通行人に安心感、信頼感を印象づけれるのではないでしょうか。
全面がガラスのテナントは看板デザインを2Dで考えがち
クリニックに限らず間口を含め外に面している部分が全面ガラスのテナントの場合、カッティングシートやインクジェットシートをガラス面に貼って看板とします。
そしてこのタイプのテナントはこの方法しか選択肢がない為、外観・看板デザインを2Dで考えてしまいがちです。
本来店舗の看板は3Dで考えられるものなので、どこに何を設置するのか?という観点において、多くの選択肢があります。
ここで間違える店舗が非常に多いのですが、ガラス面ばかりのテナントは間違った箇所に看板をつけてしまうというミスはないという事になります。
ただ設置場所に制限がある分、看板の最大効果は出にくい状況だと認識して、その中で最大効果を出せる方法も模索することが重要です。
ガラス面デザインはシンプルだけど奥が深い
先ほどガラス面は2Dになりがちだと述べましたが、実は3Dで考える方法があります。
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となるかもしれませんが、重要なのでご覧ください。
確かに、ガラス面は完全に閉じてしまって、外に広告を貼るという発想をすると2Dになります。
ガラス面は透明なケースが多いので中が見えます。
つまりこのガラスの奥(内装)も視野に入れて3Dでデザインを考えることが出来るのです。最も大事なのは外から見える部分と見えない部分を考えるということです。
先ほどの事例をもう一度お出しします。
クリニックであっても中を全く見せない外観はタブー
クリニックの場合、昔は外から全く中が見えないことを推奨されていた時期もありました。しかし、今はタブーです。
選択肢が少なかった時代、医療トラブルなどが少なかった時代は、誰もが疑う事なく医院を訪れました。
しかし情報過多の現代においては、変に知識が有り過ぎる為に、さまざまな不安を抱えている人が多いようです。
消費者の不安を排除することがポイント
そんな中で、中の様子が全く分からない医院は、いくらホームページで良いイメージを出していても何か不安を感じます。
絶対信頼できる家族などの口コミであっても、中に入る前に全く中が見えないような医院であれば、ドアを開けるのに勇気がいるでしょう。
このような考え方はある程度浸透しつつあるように思います。
街中には少し中の様子が見えるぐらい見せて、上手くカッティングシートなどを使っている医院がたくさんありますので、参考に出来ると思います。
デザインする際の注意点
しかしカッティング文字だけを貼るというような程度で、ほぼ中が見えているようなクリニックになってしまいます。
すでに解説しましたとおり、中が見えすぎるのも問題となります。
また、今度は外観・看板デザインという点で問題が発生します。そうです、それはガラス面が暗く見えてしまうことです。
ガラス面にカッティングシートの文字だけを貼っている、または何も貼っていない医院は確実に暗い第一印象になっています。
この現実を踏まえて外観を明るくデザインするという観点で、カッティングシートやインクジェットシートを適切に使用することが重要になります。
ガラス面デザインのコツはメリハリ
一般的に、ガラス面は次のデザインに別れています。
- 出来るだけガラス面を看板として有効利用したい“全部のガラスに貼るタイプの先生”
- 出来るだけ中を見せたい“ガラスにはほとんど何も貼らないタイプの先生”
しかし、ガラス面を看板として機能する部分、中を見せて入りやすくする部分をきっちり決めてやる方法が一番分かりやすいのではないでしょうか。
こんな感じですね。
やはりガラス面シートデザインを含めた看板デザインのコツはメリハリです。メリハリのない看板は風景に溶け込んで認知されません。
先ほどからご覧頂いている事例はクリニックのリニューアルですが、このようにある程度は以前のテイストを残しつつも全体としてはメリハリを出し、ブラッシュアップした印象に仕上げるのが医院の外観・看板リニューアルのデザインのコツと言えるでしょう。
参考動画:こちらも合わせてご覧下さい。
ガラス面デザインはカッティングシートで!
歯科医院様の看板制作の際によく使用している素材の一つにカッティングシートがあります。
ここまで、「カッティングシートで・・・」など書かせていただいていると思いますが、ではカッティングシートとは?一体何でしょうか。
カッティングシートとは、その名の通りシートをカットして使用するもので、多彩な色バリエーションがあり、発色と耐久性も優れているものになります。
電気を通すタイプと通さないタイプがあるので、用途によって使い分けもできます。
カッティングシートの使い道
カッティングシートはどういったことに使用するのかというと、元々「○○歯科クリニック」などの院名を入口のガラス面に表示したり、診療科目や電話番号を表示したりする用に使ってきました。
(事例の歯科医院様はおしゃれな感じに仕上げるため、文字情報を英文にしました)
このように、カッティングシートは、文字情報の表示に使える大切なツールなのですが、実は需要は年々低下傾向にあります。
「屋号や科目の文字だけを貼る」という機能だけでは不十分だと感じてきているお客様が増えていることが原因としてあります。
インクジェットシートも増えている
ガラス面が文字だけでは不十分と考えられてきているのには、歯科医院が年々増加傾向にあり、他よりも知ってもらうために!選ばれるために!とPRとしてガラス面を活用したいと考えているからです。
PRとなるとグラフィック処理が自由にできて、安価なインクジェットシートを使用する場合が多いです。
カッティングシート VS インクジェットシート
カッティングシートとインクジェットシートには、それぞれ長所短所があります。
端的に言えば、費用面を重視している人はインクジェットシートがオススメで、デザイン重視の方はカッティングシートがオススメです。
それぞれの短所と長所をまとめました。
カッティングシートの長所
- 室内を見せたり隠したりで奥行きを出して立体的なデザインができる
- 色褪せしにくい
- 発色がきれい
カッティングシートの短所
- 複雑なものだとコストがかかる
- 色数、文字数が多いとコストがかかる
- 貼り作業が手間なのでコストがかかる
- 限られた色しかない
- デザインによって価格が変動する
インクジェットシートの長所
- 安価
- 色数、文字数を気にせずデザインできる
- グラデーション等の様々なグラフィック処理が可能
インクジェットシートの短所
- 室内を見せたり隠したりで奥行きを出したり立体的なデザインはできない
- 張った部分が完全に塞がるので閉塞感がある
- 色褪せしやすい
カッティングシートがデザイン面で魅せる素晴らしさ
インクジェットシートにはグラフィック処理などが自由にデザインできる利点があるため、院のガラス面全面にインクジェットで広告を貼ることは弊社でも、もちろんあります。
しかし、「看板(ガラス面)を単体ではなく建物の一環であると捉えてデザインする」という弊社の考えからすると、広告目的でもカッティングシートの使用をおススメしています。
今回ご紹介する歯科医院様はガラス面デザインは全てカッティングシートを使用させていただきました。
カッティングシートを使ったガラス面デザイン事例・Before
カッティングシートを使ったガラス面デザイン事例・After
カッティングシートを使用すると、室内を見せる部分と見せない部分を作れます。奥行きのある立体的なデザインに仕上げられます。
その立体感がガラス面を単なる広告面ではなく、建物全体の存在感や明るさをアップさせてくれる役割を果たしてくれます。
この存在感と明るさが院をPRする目的にも繋がります。
他の事例も少しご紹介させて頂きます。
ガラス面を上手に使った、かわいいデザイン例
こちらは、通りの角地にある人通りの多い好立地の歯科医院です。
この歯科医院の元々のロゴやイメージ、先生の頭の中をしっかりとヒアリングしてデザインさせて頂きました。
ガラス面も多く、デザイナーとしての実力が試される案件です。
お子さまにも好評なかわいいデザイン事例・Before
患者さんは子どもさんが多いそうですが、院内の案内や手作りのチラシが目隠し的にウィンドウ面に貼られています。
前に荷物や自転車も置かれやすい…。
せっかくのかわいいクマのロゴも目につきにくいようです。
お子さまにも好評なかわいいデザイン事例・After
外観のファザードを活かし、お花を追加、かわいらしくしました。
ガラス面のデザインはカッティングシートを使って装飾しおしゃれに、かわいく仕上げました。
シンプルながらもごだわりのあるデザインにしました。
子どもさんやお母さまの目線に合わせて、デザインを全体的に少し下げて、見ていただけるようにと配慮しています。
お客様に写真撮影もされるデザイン
リニューアル後、来院されたお子さまがウィンドウの前で写真を撮ることもあるそうです(^^)嬉
右側の通りの印象もすっきりと変わりました。床面も舗装しなおしたことで自転車も置かれなくなりました。
新規患者数の増加効果!
前年比で増収!
リニューアル後のアンケートで「看板を見て」「通りすがりに来院」と答える方も多いという結果が出たそうです。
「お子様」には、むし歯のないキレイな歯ならびで、「成人の方」には、生涯自分の歯で過ごせるように。
医院のコンセプトに寄り添えるようリニューアルさせて頂いた事例を紹介させていただきました。
ガラス面リニューアル施工現場をリポート
次に、ガラス面のリニューアルはどのように工事されているのか、施工現場をリポートさせて頂きます。
兵庫県三田市より歯科医院様のガラス面を中心とした外観リニューアルをご紹介します。
小西デンタルクリニックさま・Before
施工開始します
まずは今まで貼ってあったシートを剥がす作業からです。
年数が経っているとシートが劣化し、パリパリになってしまっているので剥がすのにかなりの時間を要します。
今日は3人がかりです!
状況によってはこの後の貼る作業よりも、剥がす作業の方が時間がかかることもよくあります。
職人さん頑張ってください!
施工途中の様子
剥がし作業にかなりの時間がかかりました。
次に、新たにデザインしたシートを貼ります。制作データを元に貼り、位置を現場で調整します。
位置が決まれば、あとは丁寧に貼っていくのみです。
車目線からも、「医療機関である事がはっきりとわかる存在感のある壁面サイン」も今回取り付けました。
ついに工事完了!小西デンタルクリニックさま・Before
これまで解説しました通り、医院にガラス面が多い場合はシートを活用して明るく見せることができます。
ガラス面は何も貼っていない、もしくは屋号のシートのみだと昼間光が反射して、暗く見えます。なので、営業していない感が出てしまい、患者さんに不安を与えてしまいます。
基本通り課題を克服
またインクジェットシートを広範囲にベターっと貼ってしまうと院内が見えないので、閉鎖的になり、こちらもまた「どんな医院なんだろう」と不安を与えてしまうことがあります。
今回ご紹介する歯科医院様は後者の方で、リニューアル前は広範囲にインクジェットシートを貼っていて少し閉鎖的な印象でした。
なので、カッティングシートを使用して隙間を作ることで解放感ある明るい印象に仕上がりました。
また院内が見えすぎないように、目隠し用のすりガラス調シートも併用しています。こちらのシートは基本透明色なので、インクジェットシートをベタっと貼るよりも解放感を出しつつ、院内を隠す役割になるのでオススメです。
華やかさもプラスしたデザイン
華やかな印象にしたいというご要望がありましたので、オレンジ、白、グリーンをカラフルに見えるようにデザインしました。
ドットの中に歯が隠れているのがポイントです。
壁面看板デザインのポイント
ガラス面以外に新しく大きめの壁面看板も設置しました。
こういった広告面には、その医院の特徴や診療科目、院内の写真など、院前を通った人が一目見て何をしているところなのか?わかるものを入れます。
今回は歯科医院様なので、ガラス面にある歯のマークを院のアイコンとして、壁面看板にも入れているところもポイントです。
弊社ではこれまでたくさんの歯科医院様の外観・看板デザインに携わってきました。
こちら↓↓のページでご紹介していますので、是非ご覧ください!